【ポケモン】シングル66のあれこれ

最近シングル66に手を付け始めた人が結構居るように思うので、シングル66の考え方だったり、それに則った構築の組み方なんかを書いていこうと思います。
XYが発売した頃株式会社ポケモンに対し、「フレンド対戦で選出画面の見せ合い有無を選択できるようにしてほしい」旨のメッセージをスパムのごとく送ったので次回作ではきっと見せ合い無しシングル66が復活し、見せ合い無しシングル66が出来なくなって引退したプレイヤーも戻ってくるでしょう。うん。

【シングル66とは】
シングルバトルはお互い6体の手持ちを見せ合って、相手の手持ちに応じて対戦に出すポケモンを3体選出するシングル63が人口の多いルールですが、シングル66はお互い手持ちの6体を全て対戦に選出します。
ハートゴールドソウルシルバーまでは、お互いの手持ちを見せ合わない状態で戦う「見せ合い無しシングル66」が主流でしたが(そもそも手持ちを見せ合う機能が付いていなかった)、ブラックホワイトからはフレンド対戦で有無を言わさずにお互いの手持ちを自動的に見せてしまうクソ仕様になってしまった為、現在は「見せ合い有りシングル66」が主流となっています。
お互いの手持ちを見せ合うか見せ合わないかで、それなりに立ち回りが変わってきますが根本的な考え方は大きく変わらないので、この2つの違いについては特に触れないことにします。



【立ち回り】
シングル66の対戦の流れとしてよくあるのは、以下の流れです。
1.相手の場にいるポケモンに対し、有利なポケモンを交代で繰り出す。

2.繰り出したポケモンが、相手のポケモンからダメージを受ける。

3.こちらが繰り出したポケモンに対し、相手が有利なポケモンを繰り出す。

4.繰り出したポケモンが、自分のポケモンからダメージを受ける。

5.「1〜4」を繰り返し(サイクルってよく呼ばれてます)、相手のポケモンにダメージを蓄積させていき、終盤素早いポケモンで先手を取って倒していく


この一連の流れで、どのようにして有利を取っていくかという点を説明していきます。
最初の方はどのルールでも言える当たり前の事しか書いてないので適当に読んでも問題ないです。


◎自分のポケモンに繰り出してきた相手に与えるダメージを増やす
サイクルの中で「4.繰り出したポケモンが、自分のポケモンからダメージを受ける。」の手順を相手が踏んだ際に与えるダメージを増やす事で、相手が「3.こちらが繰り出したポケモンに対し、相手が有利なポケモンを繰り出す。」という手順を早期に踏めなくさせることが出来ます。

相手に与えるダメージを増やす為には、「拘り鉢巻や拘り眼鏡などのアイテムで火力を底上げする」「半減されにくい技を採用する」等が多いです。

特に拘りアイテムを持たせて火力を上げた場合、半減のポケモン相手でもほとんどの場合三発で落とせる為強いです。
例えば以下のような盤面

サザンドラは控えめで特攻に努力値を全振りし、拘りアイテムを持っておりマリルリはHPに努力値を全振りしていると想定します。

その場合マリルリが受けるダメージはこんな感じです。

2発は確定で耐えるので、タイマンであれば十分マリルリの行動は約束されています。

しかし実際66でサザンドラマリルリが対面する状況は、サザンドラの悪技に対しマリルリが交代で受ける場面がほとんどです。
1回目のサイクルでサザンドラの悪の波動を受けてマリルリを繰り出した場合、マリルリが受けられる悪の波動は残り二回になります。
その場合2回目のサイクルでサザンドラマリルリを繰り出した場合、交代で繰り出した際に受けた悪の波動、そのまま次のターンに打たれる悪の波動でマリルリを落とすことが可能です。

本来拘りアイテムは、交代しない限り打った技を変更出来ないデメリットのある道具では有りますが、66の場合は手持ちが多い分相手の攻撃を安定して受けやすく交代に伴うリスクも小さい為、他ルールよりもデメリットが目立ちにくいです。


◎相手のポケモンに繰り出した際に相手から受けるダメージを抑える
先ほど述べた話の反対で、「2.繰り出したポケモンが、相手のポケモンからダメージを受ける。」という手順を踏んだ際に、相手から受けるダメージを抑える事でそのポケモンを繰り出せる回数を増やす事が出来ます。
逆に受けるダメージが増えてしまうと、瀕死になるまでが早くなり「1.相手の場にいるポケモンに対し、有利なポケモンを交代で繰り出す。」の手順を踏めなくなってしまう為不利です。

相手から受けるダメージを抑えるには、「再生技を持つポケモンを採用する」「特性やタイプを活かして相手の攻撃を半減以下に抑える」等が多いです。
シングル66で、スイクンよりもシャワーズの採用率が高い理由は、上記の点を満たしている事が大きいです。

また火力の高いポケモンを繰り出されないように意識する事(もしくはそのポケモンを受ける手段を明確にしておく事)も大切です。
例えばハピナスは特殊耐久も高く再生技も持っているので特殊技メインのポケモンに対して非常に繰り出しが安定しますが、思考停止で採用してもバンギラス等の受けるのが困難なポケモンを繰り出されやすいなどのデメリットもあったりします。

あと、再生技を持っている場合であっても、相手の攻撃を二発しか耐えない場合は「相手の攻撃に繰り出しても再生技を打たないと次のサイクルで倒されてしまう」という状況になる為、再生技以外を選択出来ず相手のポケモンに負担を掛けづらくなるので再生技があるからといって必ずしも強いという訳では無いです。


◎相手から繰り出されやすいポケモンに打点のある技を採用する
例えば「ガブリアスに繰り出されやすいエアームドに対し打点を持つため大文字を採用する」、「ハッサムに繰り出されやすいヒードランに打点を持つため馬鹿力を採用する」等です。
前者の場合は、エアームド側がガブリアスに打点を持ちづらくガブリアスが素早さで勝っている為、エアームドが繰り出された事を確認してから大文字を打つ事が可能ですが、後者の場合は、ヒードランの方が素早さが高く炎技でハッサムを一発で倒してくる為、馬鹿力を当てる為には相手が交換するタイミングを狙って打つ必要がある為リスクが伴います。
交換読みのリスクを抑えるためには、「相手が現在場に出しているポケモンを失った場合に負けが濃厚になる為交代してくる可能性が高い」「相手に居座られても相手から受けるダメージが少ない」等の状況を判断する事が大事です。素早いポケモンの場合は身代わりを採用する事も一つの手段だと思います。


◎相手のポケモンに対して有利なポケモンを対面させている状況を増やす
有利な対面を増やす事で、相手に「3.こちらが繰り出したポケモンに対し、相手が有利なポケモンを繰り出す。」「4.繰り出したポケモンが、自分のポケモンからダメージを受ける。」の手順を踏ませる数を多く出来るため結果的に相手に与えるダメージが増えます。
有利な対面を増やすためには、「蜻蛉返りやボルトチェンジ、バトンタッチ等相手の交代を見てから自分の控えを繰り出せる技を採用する」、「交換読み交換をする」、「不要になったポケモンを敢えて切って後続のポケモンを無償降臨させる」等です。

蜻蛉返りやボルトチェンジは相手に負担を掛けながら交代出来るので他ルールでも強い技だと思います。ただ66の場合はわざわざ素早さを下げて後攻で蜻蛉返り等を打って後続を無償降臨させるという行動は弱いと思っています。ダメージを受けながら強引に蜻蛉返り等を打つ場合は、「蜻蛉返り等を打てるポケモンを繰り出した際にダメージを受ける→相手から技を受けながら蜻蛉返り等を打つ」と二回以上ダメージを受けてしまう為半減であってもそれなりにダメージを受けてしまいます。これでは「有利な対面を作る」というリターンに見合った行動とは思えません。
有利な相手に繰り出して相手からのダメージを抑えつつ相手の交代際に蜻蛉返り等を打った方が、お互い受けたダメージは大差ない場合でも自分は有利なポケモンを繰り出しているという状況が作り出せている為強いです。

交換読み交換については、先ほどの交換読みと似たような考えでリスクを下げる事が大事です。例えばガブリアスバンギラスという盤面で、相手のバンギラスエアームドに交代をするのを読んでこちらがゴウカザルを繰り出すという行動は、ガブリアスに繰り出しやすいエアームドを繰り出してくる可能性が高く、仮にバンギラスが居座ってくる場合でもバンギラスが打ってくる技は氷技の可能性が高い事、バンギラスエアームドどちらに対してもゴウカザルが有利という点を踏まえるとローリスクハイリターンな行動と言えます。



【構築を組む際に意識したい点】
66の構築を組む際に意識したい事を挙げていきます。

ステルスロックや撒菱等の設置技を採用する
他ルールと比べると必然的に交代の回数が増える為、交代先のポケモンに対しダメージが蓄積される設置技が強いです。この辺りはシングル66をやった事が無くても聞いた事がある人は多いと思うので、今更言うまでもないですね。
他ルールから66を始めた人は、襷を持たせたポケモンを初手で繰り出し強引にステルスロックを選択する事が多いように感じますが、個人的にはあまり強い行動に感じないです。確かに初手からステルスロックを打った方が、相手がステルスロックによって受けるダメージも増えます。しかし、サイクル中にステルスロックを打ったほうがそのポケモンが受けるダメージが少ない場合が多く、「初手からステルスロックを撒いた時に受けたダメージ」と「サイクル中にステルスロックを撒いた時に受けたダメージ」、「初手からステルスロックを撒いた時に相手がステルスロックで受けるダメージ」と「サイクル中にステルスロックを撒いた時に相手がステルスロックで受けるダメージ」を比較した場合に、サイクル中にステルスロックを撒いた時の方がリスクが小さくリターンもそれほど変わらないと思っているからです。

◎特定のタイプが半減出来ないといった構築にならないようにする
特定のタイプが半減出来ないと交代時に受けるダメージも増えてしまいます。等倍で受けた場合よほど耐久の高いポケモンでも二発しか耐えない場合が多く、サイクルが崩されるスピードが早くなるのでこの点は意識する必要があります。特に岩タイプ等は案外半減出来るポケモンがいない構築になりやすかったりします。(ORAS環境だとメガボーマンダを受ける為に鋼枠がエアームドになっている事も多いため尚更)

◎素早さの高いポケモン(スカーフ持ち含む)や高火力の先制技持ちを採用する
66では終盤の状況になってくると消耗しているポケモンが増える為、相手のポケモンより先に行動する事が重要になってきます。
例えば相手のメガボーマンダを意識して構築を組む場合、バンギラスエアームド等遅いポケモンだけで対策しようとすると、他のポケモンから受けたダメージ等でこの二体が瀕死寸前になっていた場合、メガボーマンダに先制されそのまま落とされてしまいます。そういった事を防ぐためにも「ゲッコウガマニューラメガボーマンダに先制する事が出来るポケモン」、「マンムー等先制技でメガボーマンダに打点を持つ事が出来るポケモン」を採用する事が大事です。

努力値は素早さ以外はほとんど調整しない
66の場合は、設置技やサイクルの中で相手から受ける蓄積ダメージにより、他のルールよりも耐久調整が活きにくいです。火力面においても、中途半端に火力を抑えて余りを他の努力値に回すよりかは、火力に特化させて少しでも相手に与えるダメージを増やしたほうが、蓄積の入った相手を落とせる確率が高くなります。




他にも意識する点は色々ありますが、あんまりダラダラ書いてもアレなのでこれくらいで。
サンムーンで昔66やってた人も復帰してくれるといいなと思います。